Findy主催の「DevOps × AI Agent Hackathon 2026」に参加しました。結果は、予選落ち。この記事はその参加記録です——タイトルのとおり、作品の供養を兼ねて。
どんなハッカソンだったのか
テーマは「DevOps × AIエージェント」。ダイヤモンドスポンサーにGoogle Cloud、ゴールドスポンサーにElasticsearchが付いた、なかなか本格的な大会です(公式ページ)。
スケジュールはこうでした。4月末に募集開始、作品提出の締切が7月12日、ファイナリスト10チームの発表が7月30日、決勝ピッチが8月19日にGoogle渋谷オフィスで開催(YouTube Live配信あり)。
会場に集まって48時間徹夜——という昔ながらのハッカソンではありません。約2ヶ月半のオンライン開催で、参加者にはGoogle Cloudのクレジットが配布され、Google CloudのADKハンズオンやElasticのBootcampまで用意されている、至れり尽くせりの新型です。この「ハッカソンの形の変化」そのものについて思うことは、あらためて別の記事に書くつもりです。
作ったもの — H.H.C.(ヒューマン・ハルシネーション・チェッカー)
「その変更、説明できますか?」——これが作品のコンセプトです。
AIがコードを書き、直し、レビューまでする時代になりました。便利になった一方で、AIに任せるほど増えていくものがあります。開発者の「わかったつもり」です。ハルシネーションはAIだけの話ではありません。人間の”わかったつもり”も、りっぱなハルシネーションです。バグはコードからではなく、理解不足から生まれます。
そこで作ったのが H.H.C.——Pull Requestをマージする前に通る「理解のゲート」です。AIが変更差分から「説明すべき論点」を抽出し(良し悪しの判定はしません)、ラバーダックデバッグの相手役エージェント「ラバ子」が、自分でコードを読んで裏取りしながら開発者に問いかけてきます。自分の言葉で説明できたらクリア。理解の証跡がPRに添付されます。
設計で一番こだわったのは、AIを「判定者」にしないことです。AIはあくまでルーブリックの適用者で、判断基準は人間が持つ。根拠は出典付きで全て開示する。みんながAIで開発を速くする方向へ走るなか、あえて「人間の理解を確かめる」ひと手間を足す——そういう方向を向いた作品です。
提出したデモ動画です(2分半・再生してみてください)。
技術構成は、FastAPI + Google ADK のマルチエージェント(Diff Analyzer → Pattern Detector)、モデルはGemini 2.5 Flash(Vertex AI経由)、思考過程はSSEでリアルタイム実況、記録はFirestore、デプロイはCloud Run(東京)です。作品の詳細は、ProtoPediaの作品ページにまとめています。
開発の道のり — 企画に1週間、実装に1週間
かけた時間は、およそ2週間です。前半の1週間は企画と設計。AIとの対話で、課題の言語化とコンセプトの壁打ちを繰り返しました。後半の1週間で実装です。
Google ADKは今回が初挑戦でした。そして実装は、環境構築から実装までClaude Codeをフルに使いました。初めてのフレームワークで、構想から動くプロダクトまで2週間——ひと昔前の自分なら、環境構築だけで最初の週末が終わっていたはずです。「初めての技術」という壁が、ずいぶん薄くなったことを実感しました。
結果は、予選落ちでした
7月30日のファイナリスト発表に、名前はありませんでした。残念です。とはいえ、それはそれ。
総提出作品数は180。そこから選ばれた10作品です。ファイナルに残ったどの作品も面白そうで、正直、私は足元にも及びませんでした。8月19日の決勝は、YouTube Liveで観るつもりです。
最後に
Google ADKの利用、Cloud Runを使ったプロダクト開発、Human-in-the-loopなエージェントの設計と実装——どれも、とても貴重な経験でした。供養と言いつつ、学びの多かったハッカソンでした。
関連リンク: DevOps × AI Agent Hackathon 公式ページ / H.H.C. 〜ヒューマン・ハルシネーション・チェッカー〜(ProtoPedia)
