GitHubのプルリク、SlackやTeamsの長いメッセージ、技術系のメールマガジン。長めの文章の先頭に「TL;DR」と置かれているのを、最近よく見かけます。なんとなく「この下に要点があるらしい」とは分かるものの、読み方や由来はあいまいなまま。この四文字が何なのか、軽く整理してみます。
「Too long; didn’t read」の略
TL;DR は「Too long; didn’t read」の頭文字で、「長すぎる、読んでいない」という意味です。読み方に決まりはなく、「ティー・エル・ディー・アール」と一文字ずつ読んだり、「要するに」と意味で読み替えたりします。声に出すより、文字として置かれることのほうが多い言葉です。
もとは「長すぎ、読んでない」という突き放しだった
いまは親切な言葉に見えますが、始まりは逆でした。辞書(Oxford English Dictionary)が確認している最古の用例は2002年、初期のネット掲示板にあたる Usenet の書き込みです。当時は、誰かの長文に「長すぎ、読んでない」と冷たく返す相づちでした。
それが「要約の見出し」に変わった
転機は、使う人が書き手側に移ったことです。「読んでもらえないなら、先に要点を渡そう」と、書き手が自分の長文の頭に「TL;DR」と置いて、三行まとめを添えるようになりました。読み手の不満が、書き手の気づかいへと役割を変えたわけです。辞書もこれを追いかけ、2013年に Oxford、2018年に Merriam-Webster が収録しました。いまは「突き放す反応」と「要約の見出し」の両方の意味が載っています。
なぜ最近よく見るのか
読む量が増え、やり取りが非同期になったからだと思います。チャットやプルリク、社内ドキュメントなど、後からまとめて読む文章が増えるほど、冒頭の三行まとめが効いてきます。さらに「TL;DR」は、毎朝ニュースを短くまとめて配信する「TLDR」というニュースレターや、記事を要約する「TLDR This」のように、サービス名にもなりました。突き放しの相づちが、いまや「要約」という機能の名前になっています。
まとめ
TL;DR は「Too long; didn’t read」の略です。2002年に長文を突き放す言葉として生まれ、やがて書き手が添える「要約の見出し」へと変わりました。長文の先頭でこの四文字を見かけたら、その下に要点が用意されている——それだけ分かっていれば十分だと思います。
